明治を舞台にして描かれた『るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚-』。この時代に日本は文明開花を果たし、食文化にも大きな影響があったとされています。
同作品でもさまざまな料理が登場。そこで今回は、明治のグルメ事情について紹介していきます。
るろうに剣心で登場した明治の絶品グルメを紹介!
剣心たちの行きつけの『赤べこ』は明治のファミレス!
牛鍋
牛肉と野菜を一緒に鉄鍋に入れ、そこに割り下を流し入れたあと、煮ていく料理。“すき焼き”と煮ていますが、違いは調理方法に違いがあります。
すき焼きは、鉄鍋で1枚ずつ焼き、そのあとに野菜を加えていく焼き料理です。
簡単にいうと、煮るのが牛鍋、焼くのがすき焼きということになります。
ちなみに当時の日本は、鶏肉や猪肉が主流でしたが高価だったとされています。一方で牛肉は臭みがあり、人気がなく安価で入手可能。そこで西洋料理を参考に、濃いめの味付けで作られたのが“牛鍋”。おいしいうえに、リーズナブルな価格ともあって、庶民にも人気になっていったそうです。
『赤べこ』の店名からもわかる通り、牛鍋は看板メニューと呼べるでしょう。
豆茶
“コーヒー”のこと。剣心たちは牛鍋と一緒に注文。食べ合わせに疑問を抱かずにはいられません。「食後に」とでも付け加えられていれば納得しますが、そのような様子は見られませんでした。
というのも、コーヒーが日本で受け入れられるようになったのは明治時代。生活に普及してないと考えられ、「お茶しようと」言ってもコーヒーを飲むことはないようです。
事実、剣心と四乃森蒼紫がお茶をしたときは、普通のお茶を飲んでいます。
豆茶は外食でしか味わえない、特別な飲み物だったのでしょう。
鮭飯
鯨波が食べた、焼き鮭にごはん、みそ汁、おしんこがついたセット。赤べこは定食も用意されていて、ラインナップが豊富なのです。
しかし彼がこの食事量で、あれだけの巨漢をどうやって維持しているのでしょうか?
現代でも共通する明治の食事
寿司
佐之助がある出来事がきっかけで、剣心たちとの別れることになると思い、最後に選んだ晩餐。ほかにも刺身や酒と豪華な料理が並んでいますが、お代は佐之助ではなく親友の月岡津南が払っています。
“寿司”といえば、祝い事やイベントごとに食べる人も多いのでは? 現代では回転寿司などでリーズナブルな価格で楽しめますが、やはり贅沢な気分になりますよね。
かけそば
斎藤一の好物である“かけそば”は明治のファーストフード的存在。安くて、手軽に食べられるのが魅力的。現代では、さらにスピードが加速した立ち食い蕎麦屋が誕生。忙しいサラリーマンたちに重宝されています。
鍋
前述した牛鍋とは違い、落人群で振る舞われた鍋料理。月に一度とあって、住人たちには特別な食事です。
しかし、具材はなにが使われているのか不明。もしかするとこれが、闇鍋のルーツになったのかも。
酒と女に溺れるのは明治時代も一緒?
洋酒
明治になると海外からさまざまなお酒が入ってくるように。それをチャンポンしていたのは、昔、吉原の遊郭でNo. 1に君臨していた駒形由美。一緒に飲んだら、色気たっぷりの彼女に酔ってしまいそうです。
冷酒
冷やした日本酒のこと。クッと飲み干す雪代巴はなんとも麗しい。そんな姿を見てか、悪酔いした輩たちがお酌を強要していました。
一方、そのとき同じ居酒屋で1人飲みをしていた剣心。人斬り仕事により心が病みすぎて、酒は血の味しかしなかったそうです。
ちなみに当時、剣心の年齢が15歳、巴の年齢が18歳。幕末の雰囲気が殺伐としすぎて気になりませんでしたが、現代の法律において“お酒は20歳になってから”ということを、良い子は忘れないように。
もうお腹いっぱい?いやいや、デザートはやっぱり別腹!
おはぎ
高荷恵の手作り“おはぎ”は絶品。あまりのおいしさに、薫と弥彦は次から次へと手が伸びてしまいます。
ちなみに以前、薫もおはぎを作ったことがあるとのだとか。食べた剣心は「泥まんじゅうのようでーー」と苦笑いしていました。
かすていら
“カステラ”のこと。これは明治より昔、室町時代末期にポルトガルから日本へ伝えられたおかし。剣心も大好物なのだそうです。
また人の往来が頻繁な神谷道場には、“かすていら”のほかにせんべいやおまんじゅうなど、おもてなし用の茶菓子が常備されています。
明治のグルメも魅力がいっぱい♪
いかがでしたでしょうか?
今回は明治のグルメについて紹介しました。
世界の中でも「料理がおいしい!」と評判の日本。明治時代から、おいしいそうなものが盛りだくさんでしたね。
おかげで執筆していた筆者は、今日なにを食べようか悩み中です。
こんなとき由美姐だったら「牛鍋にする? お寿司にする? それとも、ワ•タ•シ ♡」。………… えへっ、 今日のオカズ決まっちゃった。