「いいアイデアが出なくて、会議は煮詰まっている」
この“煮詰まっている”という使い方、間違いだとお気づきでしょうか?
実はこういった慣用句や熟語は長い間使われているうちに、本来の意味とは異なる使い方をされるようになったものも少なくありません。
そこで今回は、「実は間違えて使っているかも?」という日本語を紹介! 煮詰まるの答えは本文で解説しているので、ぜひチェックしてください。
実は本来の意味と違う⁉︎ でも、当たり前に使っている日本語!
煮詰まる
「いいアイデアが出なくて、会議は煮詰まっている」
“煮詰まる”は本来「話がまとまって結論に近づく」という意味。こういった場合は「行き詰まる」を使うのが正しいです。
しかし、この煮詰まるという使い方はもはや定着しつつあるので、誤用だとしても違和感を持つ人は少ないでしょう。
姑息
「人質を取るとは、なんて姑息な奴だ」
ドラマやマンガなどで卑怯な手段を取る人に使われているのを、目にしたことがある人も多いのでは。
そもそも“姑息”とは短期的な解決策を示す言葉。ただし、その場しのぎの行為をするという意味も含まれます。そういったニュアンスで人に使った場合は、批判する表現になったとしても間違いではありません。
もしかすると、批判的な言葉で使われることが多くなり、悪者に対して使う言葉に定着してしまったのかも。
役不足
「あの若手俳優が主演? 彼には役不足だよ」
“役不足”は能力に対して役目が軽すぎるという意味。つまり例文だと、若手俳優に主演以上の役を与えなければ相応しくないことになります。
能力が足りないと言いたい場合は「力不足」とを使うのが本来は正しいです。
割愛
「大した話ではないので割愛します」
割愛は「愛着のあるものを、泣く泣く割って断ち切る」、つまり本来はぜひとも紹介したいことなのですが、何かの都合上から仕方なく省略するときに使う言葉。
しかし、最近は名残り惜しい気持ちが省かれ、単に省略するという意味で使われることも多いようです。
私情
「私情により欠席します」
“私情”は本来「自分の欲望を満たしたい」などの個人的な感情を表す言葉。こういった場合、「私用により欠席します」が本来は正しいです。
ですが、私情を個人的な感情ではなく、「個人的な情況・事情」という意味で使う人もいるため、一概に間違いとは言い切れません。
時代とともに変わる日本語
言葉とは時代とともに変化するもの。
例え本来の意味とは違う使い方をしていても、すでに世間に浸透していれば、それが正しいとされる傾向にあります。なので、みなさんはあまり深く考えなくても大丈夫です。
僕はライターという言葉を扱う職業柄、本来の意味を理解したうえで、読者が理解しやすい表現を選択しなければいけませんが。
まだまだ紹介したい日本語はありますが、今回はお時間の都合上割愛します。