剣心の師匠である“比古清十郎”。その剣の腕前は作中するキャラクターの中で、間違いなく最強。伝説の人斬り抜刀斎と呼ばれた剣心ですら、赤子の手をひねるかのように相手にしてしまいます。
「師匠がいたら、剣心がボロボロになってまでボスキャラ倒す必要なくね?」と当時、中学生の筆者は思っていました。
そんなことは作者・和月先生も百も承知。強すぎるがゆえ使いどころに困ってしまい、作中で比古清十郎の戦ったのは、たったの一度だけ。るろ剣の世界では、ジョーカー的な存在だとされているのです。
今回は、そんな比古清十郎のモデルとなった人物について紹介していきます。
プロフィール
京都府出身。飛天御剣流の13代目継承者。孤児だった剣心を引き取り、剣術を教える。師匠という立場だが育ての親であり、剣心と命名(本名は心太)した名付けの親でもある。
また、陶芸家の肩書きを持つ。新津覚之心と名乗りデビュー後は巷で話題に。極度の人嫌いのため、普段は隠居生活を送っている。
酒が好物。「春は夜桜 夏には星 秋には満月 冬には雪 それで十分酒は美味い」とのこと。
剣心の師匠・比古清十郎のモデルとなった人物は?
和月先生の読切デビュー作、『戦国三日月』の主人公・比古清十郎です。
飛天三剣流のという一振りで百人をも斬ると噂される神速剣を振るう、戦国時代に恐れられた剣豪がモデルとなっています。
※『るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚-』6巻に収録済み。
その前のモチーフとなった人物は、『魔神冒険譚(アラビアン)ランプ・ランプ』の飛剣魔神ハーメルンです。
デザイン上のモチーフは当然、『戦国三日月』の比古清十郎なのですが、更にそのモチーフとなったのは、実は小畑師匠の『魔神冒険譚(アラビアン)ランプ・ランプ』の飛剣魔神ハーメルンです。
引用元:るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚-
※左上のキャラクター。
ハーメルンは長髪黒髪。さらに、美しく整った顔立ちも2人の共通点。ハーメルンをダンディにすれば、比古清十郎のようになりそうですね。
さらに、飛剣魔神と命名されるくらいですから、剣術にだって共通点が。彼は風を巻き起こして、真空状態を作りだすという能力の持ち主。放たれた真空の刃は、魔神や石造りの家を切り裂き、「目には見えない剣が飛ぶよう」だと言われるほどです。
そして、飛天御剣流は「目にも止まらぬ神速剣」と称されるほどの剣術。特に、比古清十郎は9つの斬撃を同時に繰り出す“九頭龍閃”を得意とします。
飛剣、飛天、どちらも超速の剣技を繰り出すといった点は、非常に酷似しています。
ちなみに、2人の性格はまるで正反対。ハーメルンは気弱で、比古清十郎は超絶自信家。ビジュアルだけをモデルにしたようです。
【番外編】比古清十郎について徹底解説
るろ剣ワールドの中でも頭1つ飛び抜けた存在の比古清十郎。ほかのキャラクターと比べて、そもそもポテンシャルが違います。
剣心と修行しているとき、比古清十郎が見せた真の姿。
普段は飛天御剣流・伝承者の力を抑えるため、重さ35kgもある白マントを着用。満を持してマントを脱ぎ捨てると、そこにはマキシマムボディが。披露すると同時に剣気まで凄みが増しています。これで43歳とは驚きです。
剣客ではありますが、もはや剣がなくても強いことは間違いなし。『北斗の拳』に登場してもなんら違和感はないでしょう。
剣心の性格は師匠譲り?
前述した通り、超絶自信家。さらに、人嫌いのひねくれ者でぶっきらぼう。剣心は修行中かなり過酷な日々を送っていたようです。
しかし、比古清十郎は意外にもお人好しな一面が。15年前に喧嘩別れした弟子が「奥義だけ教えてください」と、いきなり戻ってきたら普通は頭にくるでしょう。
そんな剣心の修行に1週間付き合い、命がけで奥義を伝授。さらに葵屋の襲撃にまで手助けをしてくれてます。
「バカ弟子」と口にしつつも、すべてのわがままを受け入れる優しさ。剣の師としては厳しいですが、親という立場で考えるとかなり溺愛していることがうかがえます。
愛刀は桔梗仙冬月
桔梗戦仙冬月は、鍔(つば)のないシンプルなデザインの日本刀。その洗練されたフォルムは、飛天御剣流を極め継承した比古清十郎にピッタリ。
ちなみに、日本刀に鍔(つば)がついているのは手を滑らせたときに、間違って刃を握らないようにするためです。
比古清十郎ほどの剣客になれば、剣を握り損なうことはないという自信のあらわれなのかもしれません。
ということで、今回は比古清十郎について紹介しました。
剣心と同様に容姿端麗でありながら、男の無骨さをプラスしたビジュアル。そして、神速の剣術に剛腕までも兼ね備えた比古清十郎。
強すぎるがゆえに、登場回数が少ないのが惜しいですが、現在連載中の『るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚-北海道編』で再登場に期待しましょう!