【山奥ニート】という生き方…。あなたは働きすぎていませんか?

テレビやネットニュースで、取り上げられている山奥ニートをご存知でしょうか?

ニートといえば、仕事をしないで、家にずっと引きこもっている若者のことを想像するかと思います。

ざっくり説明すると、山奥ニートとは、ある田舎の限界集落で、廃校となった校舎に15人ほどで共同生活している人達のです。

もっと簡単にいうと、山奥でニートをしている人達のことです。

山奥ニートと聞いて、疑問点がたくさん出てきたと思うので、今回は山奥ニートの

  • 生活環境
  • どんな人が住んでいるのか?

などを中心に紹介していきます。

みなさんがイメージしているニートとは、少し違い、「こんな生き方もあるんだ…。」と、思わされる部分もあるので、本記事も参考にしてみて下さい。



そもそも山奥ニートとは?

山奥ニートは方々は、和歌山県田辺市の最寄り駅から車で2時間ほどかかる、五味地区という山奥の集落に住んでいます。
集落の人口は5人。平均年齢は80歳を超える、過疎化の進んだ限界集落です。

特定非営利法人共生舎の支援の元、ニートやひきこもりの居場所を作る活動により、現在、もともと集落に住んでいた5人と移住してきた20~30代の若者で協力しながら生活しています。

山奥ニートの方々は、月に生活に必要な分だけ働き、残りはのんびりと暮らしています。

畑を耕したり、自然の中で遊んだりもしますが、ネット環境も整っており、ひきこもって、ゲームをしたりマンガを読んだりとニート要素もしっかりと兼ね備えています。

山奥ニートとは、山奥で自分の無理のない範囲で働き、生活を送っている人達のことです。

山奥ニートはどうやって生活しているのか?

山奥ニートの、生活環境や収入面などについて紹介して行きます。

1ヶ月の生活費は1人18,000円

山奥ニートとして暮らすには、毎月1人18,000円徴収することになっています。

この18,000円から、

  • 食費
  • 交通費
  • 通信費

に充てられ、山奥で生活しています。

それに加えて、個人で支払う、所得税、健康保険料、年金の支払いもあるので、もう少しお金は必要になってきます。

『「山奥ニート」やってます。』著者の石井あらたさんは年収が約30万円なため、所得税や保険料もあまりかかりません。健康保険料でいうと、月に1,500円ほどです。

お菓子やお酒、たばこなどを購入する場合は、もちろん個人での自腹になります。

ですが、多く見積もっても3万円ほどあれば、山奥では余裕を持って暮らすことができるそうです。

家賃は無料。住居は廃校となった校舎を利用している

生活費が18,000円と格安で生活できるのは、家賃が無料であることが一番大きいです。

現在、住居に使っている建物は、

  • 小学校の分校だった校舎
  • 職員宿舎だった2階建ての家
  • 同じ集落に借りた一軒家

入居者には、個室が準備されていて、どの部屋、建物に住んでも家賃は無料です。

収入はどうしているのか?

主にアルバイトをして、月に2~3万円の収入を得ています。

過疎集落でも、期間限定の仕事や、単発のお仕事はあるそうです。

実際に山奥ニートの方々がやった仕事は、下記の通りです。

  • しいたけの菌打ち
  • 林業の手伝い
  • 測量のバイト
  • 梅の収穫、選別
  • 柚子の収穫、加工
  • 花切り
  • 文字起こし
  • 地域の直売所のレジ打ち
  • キャンプ場のバイト
  • 害獣駆除の報奨金

一次産業のお仕事や、地域の手伝い、ネットを通したお仕事など様々あります。

運営しているブログや、YouTubeなども収入を得ています。

あれ、でもニートって働かないのでは?結構、仕事をしているように思えるのだけど?

実は、ニートの意味って”働かない若者”という意味ではありません。

ニートイギリス英語Not in Education, Employment or Training, NEET)は、就学就労していない、また職業訓練も受けていないことを意味する用語である。

引用元:wikipedia

つまりニートとは、どの組織にも属していない人のことを言います。現在は広い意味で、ニートという言葉は使われていますが、日本で報道されるようなで働かない若者とは、実は意味が違うのです。

話は戻りますが、労働時間と収入についてです。

1つ例をあげると、梅の収穫の時給は1000円。生活費を稼ぐには18時間必要。30時間働けば、かなり余裕を持った暮らしをすることができます。毎日でなければ、山奥ニートの方々も、無理なく働くことができるのです。

山奥ニートの方々は単発のお仕事でも、かなり頼まれるようで、現在住んでいる山奥ニートの数だけでは足りなく、お断りをすることもあるそうです。

ニートではありますが、20~30代と若いというだけでも過疎集落では貴重な存在。

仕事を頼む方もかなり高齢で、仕事という感覚ではなく、おじいちゃんと孫のような関係に近いため、ニートの方々も心や体に負担が少なく、仕事をすることができるそうです。

基本的には自炊

出典元:山奥ニート日記

山奥ニートの方々は、基本的に自炊。

自炊する一番の理由は、山奥には外食できるようなお店がないからです。

生活費の18,000円の半分9,000円は食費に使われます。食材の肉や野菜は、車を使い町のスーパーで週に1回買い出しをします。

自分たちで畑もしたり、地域の方から食材をもらったりすることもありますが、さすがに15人分は賄いきれないそうです。

お米は、知り合いの人から安く譲ってもらったり、ブログや生放送を見た人が、パスタを送ってくれるそうで、パスタはほとんど買ったことがありません。

Amazonほしい物リスト

メニューは、畑でとれた野菜を使ってペペロンチーノにしたり、飼っている鶏の卵を使って親子丼を作るなど、一般的な1人暮らしの生活と比べても、豪華で栄養面もしっかりしています。

ご飯を作る当番などは、とくに決まっていません。気が向いた人が、全員分作るといった感じです。

ちなみに食事でのルールまではいきませんが、

  • 月に数回料理を作る
  • 自分が使った食器は自分で洗う

上記の2つは、なんとなく暗黙の了解のような感じになっています。

料理が完成したら、グループチャットでお知らせ。リビングで食べる人もいれば、部屋で1人で食べる人もいます。気分によって、食べる時間や場所は本人の自由です。

山奥ニートの方々は、基本自炊。肉や野菜なども取れているので、普通に生活している1人暮らしの食生活よりも、健康的であることがわかります。

山奥ニートの日常生活は?

出典元:山奥ニート日記

予定のない1日

だいたい午前11時に起床し、朝・昼兼用の食事をとります。食事後の活動は人それぞれ。

趣味に時間を使う人もいます。ギターを弾いたり、小説を描くなど。
鶏の散歩をする人もいれば、家事をしたり、家の修繕をしたりして暇を潰す人もいます。

誰かが晩ご飯を作って食べて、その後に入浴。

夜の時間は、リビングで談笑したり、ボードゲームで遊ぶなど。1人朝方までマンガ本を読んでいる人もいます。

深夜の3時くらいに就寝するという流れが、予定のないときの山奥ニートの1日です。

予定のある日

意外かもしれませんが、山奥ニートの方々は予定のない日のほうが少ないです。

もちろん、バイトに行ったりすることもありますが、イベントがよく開催されます。
正確にいうと、15人もいるので何事もイベントになってしまうのです。

  • 夏は川に行って泳ぐ
  • 焚き火をして焼き芋
  • バーベキュー

など、話題の映画が公開されれば、プロジェクターを用意して映画上映会を開催。

山奥で遊ぶところもないので、退屈かと思うかもしれませんが、人もいて自然に囲まれているので楽しく過ごせるとのこと。

さらに、ネット環境も整っているので、エンタメも存分に楽しむことができます。

山奥ニートには、どんな人がいるのか?

山奥ニートには、どんな人がいるのか紹介していきます。

十人いれば十通りの山奥ニートがいる

結論からいうと、様々な人がいます。

  • 小説家を目指している人
  • 声優をやっていた人
  • 新卒で山奥ニートになった人

現在は、女性の入居者もいて、色々な人が、シェアハウス『共生舎』で暮らしています。

山奥ニートになった経緯

山奥ニートになった理由も、人それぞれです。

小説家を目指している人

小説家を目指している方は、前職で仕事が忙しく、小説を描く時間がなかったため、生活費が安く、自分の時間を確保するため山奥ニートになりました。

元・声優の人

声優だった方は、仕事が忙しくて喉を潰してしまったことがきっかけ。治療に専念するも、1年近く期間が空いてしまい、仕事のオファーがこなくなってしまいました。
さらに、交通事故にも遭い足が不自由に。家庭環境の問題もあり、父親からの勧めで『共生舎』で生活することになりました。

新卒で山奥ニートになった人

新卒で山奥ニートになった方は、大学時代に就活するのがめんどくさかったからです。厳密にいうと、就活に戸惑ってしまったという感じです。

就活となると自分を売り込む訳ですからアピールしなければいけません。学校の教育では謙虚な人や、ちゃんと言う事を聞く人が優秀とされていたのに、就活になった途端、正反対のことをしなければいけなくなり、就活へのギャップに戸惑ってしまい、新卒で山奥ニートになりました。

現在は、山奥ニートを辞め、正社員として就職することができたそうです。

色々な理由で、山奥ニートになった経緯がありますが、何かしらの挫折がきっかけで、社会に馴染めなくなり山奥ニートになる人が多いです。

ですが、共生舎で生活するようになってから、明るくなる人が多いそうです。

都内や地方都市のように、世間体を気にすることもありません。家族でも仲間でも、友達でもない、なんとも言えない関係の山奥ニート。

山奥までニートしにするくらいの人達同士なので、お互いに気遣いができ、程よい距離感というのが、平和に暮らせる1番の要因なのかもしれません。

山奥ニートという生き方

社会人になると、仕事で忙しかったり、人間関係で上手くいかなかったりすることもありますよね。

すると、知らず知らずのうちにストレスが溜まっていき、小さなことでもイライラしてしまいます。

もし、この記事を読んで「私、働きすぎかも」と少しでも思った方は、ちょっと休んで自分のことを大切にしてみませんか?

最新情報をチェックしよう!